那覇市は前島に、ひっそりと佇む「日本料理 髙ノは」さんは、ゆいレール「美栄橋駅」から徒歩約3分。レンガ造りのマンションの1階に、花ブロックが目を引くお店があります。
沖縄県、和食で検索したところ、口コミサイトの上位にランクインされていて、お店のウェブサイトもとっても素敵で、どうしても食べたい！と思い、今回失礼にもSNSを通じて予約をお願いしたところ、女将さんから快くOKのお返事をいただき、訪問することができました。

先付けは、じゅん菜とオクラの旨出汁 自家製紅生姜。ぷりぷりっとした食感につるっとした喉越しのじゅん菜に、オクラの粘りと紅生姜の香りが合い、旨みのある出汁がとっても美味しい。
また、高級魚アイナメの椀物は、白身でクセのない上品な味わいのアイナメに、しゃきっとしたはす芋、それから青ゆずの香りが効いて、これまた美味。

お造りは、大将の包丁さばき、盛り付ける際の所作がきれいで、見た目にも美しい一皿。
上に盛られているのは、ばちこというナマコの卵巣を干した高級珍味で、そのほかにも自家製の醤油漬け大豆や、鯛の皮、わさびなどと一緒に、色んな楽しみ方のできる一品。
また大将から、大変希少な沖縄県産の幻の雲丹をお勧めされていただきましたが、禁漁が続いているという白鬚雲丹の養殖に成功したものだそうで、さっぱりとしてとても上品な雲丹でした。

酢の物変わりは、鱧落とし モウイ ガリ 梅肉の出汁醤油。みずみずしく歯ざわりのよいモウイは、ウリ科の沖縄の伝統野菜の一つで、旬なものだけでなく、沖縄県産の食材をいただけるのも嬉しいすね。
食中酒として、甘めの日本酒をお願いしたところ、女将さんから「SOOKUU 夏純米かすみ酒」を勧めていただきましたが、やさしい甘みでとても呑みやすく、お料理にもよく合います。

続いてお凌ぎになりますが、数種類の中から握りを2つ選ぶことができ、煮穴子と雲丹をお願いしました。
京都がご出身だという大将は鮨店でも修行をされていたそうで、ふわっふわの煮穴子は口の中で溶ける美味しさで、北海道産の雲丹はとっても濃厚な味わい。
黒が美しい器は、今では沖縄で1軒しかないという貴重な琉球漆器のお皿で、そちらでいただくとまた格別ですね。

ここでまた、大将お勧めの自家製カラスミを使った唐墨もちを注文しましたが、とってもお酒が進む一品。
焼き物は、鮎の塩焼きと甘長ししとう白酢和え。じっくり時間をかけて火を通した鮎は、しっとりふっくら、頭までいただけます。

いよいよコースも終盤です。土鍋で炊きあがる直前のアルデンテのお米に、煮物として、揚げ焼き白甘鯛と翡翠茄子の煮付け。
初めてこういうお米の食べ方をしましたが、このお米が甘くて香り高く、衝撃的な美味しさ！煮汁がしみしみの茄子と鯛でご飯がまたよく進むんです。

締めはお食事。ご飯、味噌汁、ちりめん山椒に香の物。炊きあがったご飯がもう美味しすぎて、卵かけご飯をおかわりしてしまいました。
やっぱりお米が一番ですね。日本人でよかったと心から思います。

沖縄でいただく日本料理。味ももちろん素晴らしかったですが、気さくで知識豊富な大将と、ユーモラスで明るい女将との会話がとっても楽しいお店です。
日本、それから沖縄の良きものを味わい、触れ、学ぶことができる素敵なお店。予約制ですので、ぜひ事前予約の上訪れてみてください。日本に生まれたことに喜びを感じる。そんな感動が待っています。